短歌日記48

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 雲分かつ光りのなかを雲雀飛ぶ 心の澱を灌ぐごとくに


 たれぞやの手袋ひとつ落ちており温もりわずか眼にて感ずる


 鶫のようなひとがいましてぼくの手に羽根をひとひら落とす日常


 暗がりに一羽のからす降り立ちぬ嘴の一瞬光りたる午后


 星ひとり酒場を歩く夜がまだここには来ない時刻なれども 

 

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