2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

短歌日記24

* 戦つづく骸のなかのおもいではピースサインのかく存るゆうべ 流れては消ゆるものこそ尊しと河辺の花をちぎって游ぶ いまさらにおもいでなどと呼ぶ刹那 冷凍庫に隠したるかな 彼方より流れ星かな一筋のなみだのようなきらめきありぬ ぼくがまだ生きてゐる…

短歌日記23

* 紫陽花暗し夏のまえぶれおれの手が汚れながらに握る花びら 声あればふりむくときよ顔がまたちがったように見えるゆうぐれ 光りあれ 取り残された路地裏でつぎの出会いを待つは朝どき しぐれゆく街の時間よまざまざとひとの内部を照らす雨粒 凋れゆく花の…

短歌日記22

* 絶つ定め あるいは祝賀歌いたる余生のなかの雁の鳴き声 身を放つ 窓の眺めが光りする、いつかのような死へのあこがれ きょうもまたさよならする両手 幽かなひとのかげまだ残る 車蜻蛉・アンドロメダよ銀河するおれの永遠曝す午後2時 時と時の硲よ いまだ…

短歌日記21

* この闇がぼくに赦せるものをみな運び揚げてはゆれる舟たち 夏来る山脈遠くかすみつつ胸のなかにて熟れる韜晦 さようなら彼方のひとよいつの日か花の匂いに眼醒めるときは 窓際の一羽のからす ほんとうは隠しごとなどしたくはなかった たわむれた過去のおも…

短歌日記20

* 記録図譜あるいは願い燃えあぐる荒れ野の果ての儚い夢よ 声聞ゆ学び舎寂し建築はあまねく過去を思い起さん 夏の日の真昼の幽霊 足許を照らす陽射しが猶も寂しく 対向する光りのなかをさまざまな過去が揺れてるわたしの現実 カラー喪失する夜半「シャッタ…