* 暗がりの道で迷子にならぬようきみの手を引く幽霊の声 時にまたひとり裁かれながら立つ図書館まえの駅の群衆 チョコレートバー淋しく齧る午后の陽よいまだなにも了解せず 秋の水光れるなかを走り来て憂いを語る少年もゐる ジューサーのなかの果肉が踊りだ…
* 愛されてゐしやとおもう牧羊の眼のひとついま裏返る 流されて種子の絶滅見送れば秋の色さえ透き通るかな 足許を漂う季節いつかまた看板ひとつ降ろされてゐる 涙とは海の暗喩か岩場にて蟹の死骸を見つむる午後よ さらばさらばよ石くれの硬さをおもうわれの…
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