2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

短歌日記51

* 蝶番はじけて夜が深くなる熾火の悪魔が笑う せめてものはなむけなればよしとする現代舞踏のなかの椅子たち いくつかの断章ひろう言葉とは自我を分断する鏡 挫かれて失う歌よ少年の日をいまおもう苦い水かな 存在も暮れてひとつになりにける鳥影過ぎるとき…

短歌日記50

* たそがれのもっとも明るい場所にゐて幼年時代の悪夢をおもう 星屑やわれを戒めこの街の流れのなかで永遠にあれ 青果店おそらく檸檬の爆弾を流通せんと企んでゐる ひとがみなわれを忘れて歩みゆく一瞬のやさしい渚 神の戸を開け給え、うつしよに燃ゆるキャ…

短歌日記49

* 歌論への試み 単一的な「コンビニ短歌」からの脱却方法 文語から口語、さらに交接歌へ 歌の墓場→新聞歌壇? テーマの逸散 なぜ歌人たちはより高い世界を見ようとしないのか 日常を超えて ユーモアとは戯けにあらず たったひとりで歌うこと * 詠むことの…

短歌日記48

* 雲分かつ光りのなかを雲雀飛ぶ 心の澱を灌ぐごとくに たれぞやの手袋ひとつ落ちており温もりわずか眼にて感ずる 鶫のようなひとがいましてぼくの手に羽根をひとひら落とす日常 暗がりに一羽のからす降り立ちぬ嘴の一瞬光りたる午后 星ひとり酒場を歩く夜…