短歌日記51


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 蝶番はじけて夜が深くなる熾火の悪魔が笑う


 せめてものはなむけなればよしとする現代舞踏のなかの椅子たち


 いくつかの断章ひろう言葉とは自我を分断する鏡


 挫かれて失う歌よ少年の日をいまおもう苦い水かな


 存在も暮れてひとつになりにける鳥影過ぎるときのはざまに


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 歌誌、あいかわらず原稿がとどかない、そろわない。やきもきしてる。果たして来月発刊できるのか。いまはまるでわからない。ともかく無粋な催促などせずに済ましたいのだがどうだろう。