短歌日記51


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 ひとびとが河の姿で流れゆく未明の街の御伽噺よ

 

 たが母も腐れゆくなり鉄条網わが指刺さぬ一瞬のこと

 

 世の光りわれを照らせと祈るのみ遙かな野火に癒されながら

 

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