短歌日記52

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 救いなど求むる心勝るとき一羽の小鳥撃ち落としたり

 

 なだらかな地平の上を泳ぐ雲 われもいつか飛ばん
 

 
 ひとの死のもっとも暗い場所を掘る わが一生を忘れるために 

 

 森深くありたりひとり岩に坐すいずれ迎える臨終に寄せ


 
 過去よりも信ずるものがなにもなく回転木馬に乗りたくおもう

 

 なによりもわが手を憾む犯罪ののち咲きたる花を奪えり

 

 山吹の花を両手に捧げたる少女のひとりかげを失う

 

 あたかも夜半にめざめた電柱のごとくに立ってゐる男

 

 どうであれわれにかちめのなきことを書き溜めて寂しき詩篇

 

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