短歌日記64


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 たそがれの一群われのかげを過ぐ黄昏色の月曜のなか


 秋来たり水辺に群れる鳥ありていままたひとつペン軸失くす


 ためらいのなかに小さな家族棲むいつかのような無表情で


 かたときも手放せずにおられぬと帽子を掴む秋の茫洋


 それがまだわからずにておらえれない耕すひとの横顔の汗


 いままさに狐を放つ酔いどれのおれの空白きょうもながくて


 ひとさらい雨にまぎれて去るなかでうれゆく果実ひとつ残さる


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 Wikipediaでは抵抗文化について≪カウンターカルチャーアンダーグラウンド・カルチャーの違いは、どちらも主流(メインストリーム)の文化や体制に対抗するが、カウンターカルチャーは実際に対抗勢力や新たな体制になりうる価値を持ち社会全体を巻き込むレベルとなるのに対し、アンダーグラウンドは常にメインストリームにはなり得ず一部のコアな層に支持されるサブカルチャーのレベルに止まることである。メインストリームになった時点で新たな体制の一部となり、もはやアンダーグラウンドではなくなるのである≫と記述されている。