天籟とピンボール
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獅子神の蹄のあとに咲き誇る花があるらし血の匂いする
やまなみに融けるものみなすべて秋暮れてたちまち花かげもなく
社会性なきゆえわれに降りかかるプレヴェールの枯れ葉のあまた
自裁ならずして存ることのなさけなさか道失えるきみ
波に咲く花かとおもいふりかえる照らされながら去る枯れ葉みて
くちなしの花のようには愛せない きみたのためこそおもうがままに
惑う鳥頭上を過ぎていままさにひろがるばかり黄金律は
鉄梃に打たれ路上に横たわる扉のなかの使者らしき声
陸橋も眠れる夜もありましてひとの心を奔る霜月
関係性にまぎれる犯意少年はもはやソプラノでは歌えず
時なべて喪うばかりひとのかげ われをひとりにして月光る
天籟とピンボールのはざまゆく比喩に充ちたる男の歩み
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2023年9月19日