2024-03-29 鴎の画 俳句 狐火に降る雨寒夜男来ぬ 飛びかたはなめらかならず鴎の画 画のうちの木工ひとり休息なし 古本と少女はひとつ過ぐ冬の 初冬の男たずさう表紙絵は時化て 灯火のいろいろのみか画面の都市 凪失わば飛ぶそらあらず一羽の青年 飛ぶそらもあらず精神病棟の冬 おもかげを充たして枯るる木木並び 死を書けば枯れ葉とともに午后訪れる 飛ぶもののかげの青きに手は触れ光り 答えもたずが枯れ葉の問いを胸に抱くかな