無題

 

 

 われわれがうろつくべき路上を夜中探している

 沈んだブイがいつまでもある海で

 ないがしろにされたひとが

 たちあがってはささやく

 のはどういった料簡か

 みずからを見失った体がどこまでも遠い

 なぜならわたしのないからだにはもはや霊体 がいないから

 いつまでも悩むような幽体がいないからだ

 どうしてと、

 きみが問う

 その断絶が近づく

 幻のようないろづけかた

 いまはもうわからない

 大事だったはずものが

 ちがった顔で挨拶する

 じゃあ、どうもさようなら