短歌日記42

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 水色のゆうぐればかりひとりのみクリームソーダを飲み終わりたり

 

 いくつかの木片ひろうくべる火を持たぬわが身の寂しさゆえに

 

 言葉とて秩序に過ぎぬ 悪霊は百科事典のなかに棲むなり

 

 陽だまりに冬日が落ちる真四角の空を抱いて飛ぶ天使たち

 

 静寂も燃ゆる真昼よわが胸の言葉のすべて交換されたし

 

 落下する時のはざまよ抒情とはだれも知らない町のざわめき

 

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